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スライド5
女性の子宮は、にわとりの卵を一回り大きくしたような大きさで、左右に卵管と卵巣があります。一般的に卵が卵管に入ると思われていますが、実はそうではなくて卵管が自ら動いて卵を取り込みます。卵管の機能には卵を子宮まで運ぶと同時に、卵を取り込むという大事な働きがあります。 |
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スライド7
女性はうまれつき、700万個の原始卵胞という卵の元を左右の卵巣にもっています。成長して排卵が始まるころには、約2、30万個の原始卵胞が卵巣の中に眠っています。ですから、20歳で排卵した卵子と最後の一個の卵子は同級生。当然20歳に排卵した時の卵は若く、40歳で排卵した時の卵は質が古くなるということになります。 |
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スライド9
卵管のなかで取り込まれた卵子と、膣から子宮を通って上がってきて待っていた精子がここで出会って受精します。生命の一番大事な部分はこの卵管の中で起こるんですね。 |
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スライド11
不妊症のカップルは7、8組に1組、約15%の割合でいると言われています。病気としてはかなり率の高いもので、15%の人がかかる病気というと風邪だとか虫歯くらいです。 |
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スライド13
当然、排卵が起きないと子供はできません。一般的には基礎体温で排卵を見つけますが、実は基礎体温だけでは排卵しているかどうかわからないのです。排卵が起きているかどうかを正確に知るには、LH(黄体化ホルモン)という尿の中のホルモンや、脳の中から出る黄体ホルモンを見ることが大切。経膣超音波というもので卵胞を計測するという方法もあります。排卵はこの3つがすべてそろって、正確にわかると思ってください。けれど、基礎体温はぜひ早くつけてください。自分の卵巣機能を自分の手で測るということは非常に意義のある大事なことだと思います。 |
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スライド14
基礎体温表ですが、このように高温期が10日以上ある場合は正常です。短い場合には、卵巣などに問題が出てきます。高温相がみられないと、排卵していない無排卵の状態となるケースが多いと言われています。 |
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スライド15
尿中のLHを計測するLHキットというのは、排卵していない場合には色が出ません。しかし、排卵が近くなるとどんどん色が濃くなって、この色が一番濃くなった24時間後に排卵すると言われております。薬局にも売っていますので、簡単に手に入ります。 |
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スライド16
女性の体の中のホルモンを書いたものです。少し難しいかもしれませんが、4つあるということをまず覚えてください。
脳から出るのがFSHとLH。この2つのホルモンが卵巣に働いて、卵巣からエストロゲン(E2)とプロゲステロン(P)が出ます。卵を排卵させたり受精させるのはこの2つのホルモンです。排卵がおこると基礎体温が高くなると思われている方も多いかもしれませんが、プロゲステロンには体温をあげる作用がありますから、プロゲステロンが出れば基礎体温が上がります。排卵しなくてもプロゲステロンは出ますので、基礎体温があがったからといって排卵が起きているということにはなりません。一番大事なのは、黄体化ホルモン(LH)です。このLHホルモンが急激に高くなり、排卵の引き金を引きます。 |
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スライド17
排卵障害の中でも最も多いケースが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。超音波でみると、卵巣の周辺にたくさんの嚢胞が見えます。これは卵巣の表面が固くなっているために、排卵できずに残ってしまった卵胞のなごりです。定義としては、月経が規則正しくこない、超音波でたくさんの嚢胞が見える。それから、男性ホルモンや黄体化ホルモンの数値が高い。この3つがそろった場合に多嚢胞性卵巣症候群といいます。ただ嚢胞が見えるだけでは多嚢胞性卵巣症候群とは言いません。この辺の診断は非常に重要ですね。 |
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スライド18
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療にはいろいろな方法があります。まずは飲み薬。排卵誘発剤を飲んで排卵すればいいのですが、のみ薬に反応しないと注射などを打つことになります。すると卵巣が腫れてしまう場合も出て、重篤な合併症になる可能性もあります。その場合には、腹腔鏡を使いながら、卵巣の表面に排卵しやすくなるように穴をあけます。これは非常に有効です。私たちは、飲み薬で効果がみられない方はこの方法を勧めています。この手術は約2泊3日。保険がききますから手術料は4〜5万円です。6割は自然に排卵してきますし、残り4割は飲み薬の排卵誘発剤で排卵してきます。ですから、タイミングや人工授精などで1年くらい治療すればほとんどの人に妊娠する可能性が出てきます。この病気は糖尿病と合併することがよくありますので、糖尿病の検査も同時に行います。糖尿病の方はメトホルミンという糖尿病の薬が効果的なことはよくあります。 |
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●不妊症の原因〜卵管閉塞〜
スライド20
次は卵管障害です。いくら排卵しても、卵管がつまっていれば精子と卵子は出会いません。ですから、当然妊娠しませんし、卵が進んでいかないので着床ができません。これには卵管造影という、造影剤を子宮から入れて卵管の通りを確認する検査をします。 |
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スライド21
卵管造影検査の様子です。この症例は子宮が左右にキレイに見えて、卵管もキレイに見えます。 |
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スライド22
この方は、左は大丈夫ですが、右が通っていません。左から排卵した場合には妊娠のチャンスがあります。 |
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スライド23・24
両方の卵管が詰まっている場合は絶対不妊ということになり、通水といって、お薬を下子宮から卵管に入れて閉塞を取っていきます。それでも卵管が通過しない場合は、FTカテーテル(スライド23、24)での治療もできます。軽い麻酔で、入院せずに治療が可能で、保険もききます。
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スライド26
妊娠には、“適度な体重”ということも重要です。理想の体重を知るための方法にはいろいろあります。ポピュラーなのは、身長から100引いて0.9をかけるもの。身長160cmの人は54キロということになります。でもこれは少し厳しいので、私は身長から100引いたくらいでもいいと思っています。BMI指数は、世界的に知られている方法で、20〜25が標準です。 (体重(kg)/身長2(m) 例:54÷1.6×1.6=21.09) |
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●不妊症の原因〜肥満・やせすぎ〜
スライド27
実際に2週間で1キロのペースで減らすにはどうすればいいでしょう。1カ月2キロ落とすことはそんなに難しくありません。脂肪1キロは7,000キロカロリーに相当します。1回あたりの食事にすると170キロカロリーになります。同じ170キロカロリーでも、食事ではご飯1杯、ショートケーキ2/3を食べないか、エクササイズで消費しようとするとウォーキング42分、水泳20分となります。このように運動で体重をおとすのは非常に難しいことがお分かりでしょう。ですので食事でカロリー計算することが大切なのです。たかがショートケーキ2/3くらいと思うかもしれませんが、それを消費するにはものすごいエネルギーが必要なのです。毎日の摂取カロリーが2,000キロカロリーを超えないことを目安にしてください。 |
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スライド29
この方は、78キロ、162センチでした。それが、5キロくらいしか痩せていない段階で妊娠しました。痩せるということが身体の中の代謝を変えたのです。自分のなかの身体の代謝を変える。そういう意味で食事療法は大切です。 |
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スライド30
内膜症などで、卵管が癒着していると卵を取り込めませんから、妊娠できません。それを確認するには、腹腔鏡検査というお腹の中をのぞく検査があります。お腹に穴があくことを嫌がる人もいますが、ぜひ受けて欲しいと思います。当院では、奥さんにもご主人にも異常がないのに、1年たっても2年たっても妊娠できない方には必ず腹腔鏡検査をお勧めしています。そうすると半分以上の方の卵官が癒着しているのです。癒着は全く自覚症状がないので、腹腔鏡検査をしないと永遠に分からないです。ただし、この検査をするには技術と経験が必要です。腸や血管に穴が開いたり、その結果死に至る可能性もありますので、経験豊富なお医者さんにやっていただくことが大事です。この検査は保険が効いて費用は4万か3万くらいです。 |